同じ言葉の指示でも結果がズレる理由|仕事は「伝え方×聞く力」だった

白と青グレーを基調にした静かな仕事系アイキャッチ。左では話している男性のシルエット、右では考え込む女性のシルエットが向かい合っており、中央にはズレた矢印とノイズ線が描かれている。大きく「伝え方だけではなかった」、下に「理解は『掛け算』だった」という文字が配置され、伝える力と受け取る力のズレを表現している。 仕事のズレ

仕事で、きちんと間違えやすいポイントを抑えながら作業の説明をしたつもりでも、

結果が、思っていたようにいかないことも多いです。

そのたびに、

私の伝え方が悪いのかな

1から10まで説明しないとだめ?

足りないのは自分かもしれない。でも、言い方を変えても、なぜか同じことになってしまうことがある。

その理由を考え始めました。

結果、職場のコミュニケーションを「伝える力 × 聞く力」という掛け算のようだと思ったんです。

この記事では、伝わり方のズレの原因の一つと、私なりの対処法をまとめました。

同じように、指示がズレて伝わる話も別の記事で書いています。

同じ言葉でも、相手によって結果はズレる

同じ言葉で仕事の指示を出しても、人によって結果がズレることがあります。

同じ商品を二列で陳列する場合、賞味期限の近い商品は右側からお願いします

と伝えたことがありました。

その人は、スーパーやコンビニのアルバイト経験のある人だったので、

手前からというのは、わかっている前提で一列目を右から左へ、二列目も右から左へ、

という意味で伝わると思っていたんです。

でも実際に並んでいたのは、

右一列が古い商品、

左一列が新しい商品。

最初は、

え?そうなる?

と思いました。

でも、

右からって言われたので

そう言われた時に、相手はちゃんと言われたようにやっていただけなんだなと思ったんです。

逆に、「右」というワードを出してしまったことによって、そうなってしまったのかもしれません。

違うスタッフに同じ言葉で伝え、受け取った意味を確認したら、右→左と解釈していました。

試しに理由を聞いたら、

だって古い物は前からなのは大前提じゃないですか

と答えが返ってきました。

このように、同じ言葉でも、相手の中にある前提や言葉の受け取り方によって、完成形が違ってくるのだと思いました。

コミュニケーションは「掛け算」だった

店舗のバックヤードで話す男女の店員のイラスト。「伝える力(50)」と「聞く力(50)」が掛け合わされ、中央で「理解度(25)」という結果になっていることを数字と記号で表した図解。

私は長い間、「伝え方のせいでうまく伝わらない」と思っていました。
でも、同じ言葉で伝えても、イメージどおりにできる人と、できない人がいます。

つまり、伝える力だけではなく、聞く力にも関係しているのではないかと考えるようになりました。

伝える力 × 聞く力 = 理解度

たとえば、こちらが50の「伝える力」で伝えても、相手の「聞く力(受け取る力)」が高くなかった場合、結果はそれ以下の数値になります。

逆に、「伝える力」が高くなかった場合、相手の「聞く力(受け取る力)」が50だとしても結果は同じです。

伝える力も聞く力も半分(50:50)だとしたら、体感として伝わるのは25程度です。
掛け算だからこそ、どちらかが下がれば理解度も下がる。

それなのに私は、相手の分まで埋めようとしていました。

足りないなら、私が増やせばいい。そうやって、勝手に消耗していたのだと思います。

前提が揃っていない状態では、認識のズレはさらに広がります。

人は変えられない。だから出し方を変える

私はひとつの持論を持っています。

「自分で自分を変えることも難しいのに、他人の思考回路を変えるのはもっと難しい」

特に、長年の思考の癖は簡単には変わるものではないので、言葉の受け取り方も変えられない。

だから、相手を変えようとするのではなく「伝える力×聞く力」に前提や確認を足すことにしました。

例えば、

  • 伝えたあとに「どういう意味で受け取った?」と確認する
  • 完成形を見せる
  • 実際に並べながら説明する

こんなふうに、確認や前提を足しています。

これなら、

伝える力(50)×聞く力(50)+前提や確認=理解度(50)
に近づけるかもしれません。

同じ言葉でも、頭の中で想像している形は違うし、言葉の受け取り方も違う。

そう思っていた方が、仕事はズレにくいのかもしれません。

前提や確認は人によって変える。

前提がすでに共有できている人、これから前提を合わせたい人

また、言葉の受け取り方のクセなど、

人によって、どこまで確認をするのかを変えるようにしています。

特に、受け取り方のクセがわかると、指示も出しやすくなりました。

日本語も、思っている以上に難しいものです。
7時10分前」が、人によって6時50分と受け取ったり、7時10分よりも前(7時8分など)と受け取る人もいる。

同じ言葉でも、相手の解釈は人それぞれです。だからこそ、伝える側には「観察力」が必要で、すべての人に同じ言葉ではダメなんだと思うようになりました。

私の言葉を、相手がどんな思考回路で変換してその答えにたどり着いたのか。
それを想像して動くようにしたら、私の負担は少し減りました。

まとめ

私は長い間、

「もっと細かく説明しなきゃ」
「もっと伝え方を変えなきゃ」

そう思っていました。

でも実際には、

同じ言葉でも、相手によって受け取り方は変わります。

経験の違い、前提の違い、言葉をどう解釈するか。

そのズレで、頭の中の完成形は大きく変わってしまうんです。

だから最近は、

「なんで伝わらないの?」

ではなく、

「どう受け取ったんだろう?」

と考えるようになりました。

相手を変えるより、確認の仕方や、伝え方を変えた方が早いこともあります。

仕事のコミュニケーションって、

伝えるだけでも、
聞くだけでも成立しない。

お互いの受け取り方まで含めて、初めて成立するものなのかもしれません。