わかってないのに『わかりました』と返事する理由|わかったふりを防ぐ方法

白と青グレーを基調にした静かな仕事系アイキャッチ。左では「わかりました!」と返事をしている男性のシルエットが描かれているが、頭の上には「?」とモヤモヤが浮かんでいる。右では別の人物が「あの返事、大丈夫かな」と考え込んでいる。中央には「返事より『理解』を見る」、下に「わかった“つもり”でズレていく」という文字が配置され、返事と理解のズレを表現している。 コンビニの仕事

仕事中、指示に対して「わかりました」「承知しました」と返事が戻ってくることはほとんどです。ですが私は、その返事の言葉だけで「伝わった」と判断しないようにしています。

コンビニでスタッフに仕事を教える立場になってから、同じ「わかりました」でも、そのときの状態は人によって違うことに気づきました。反射的に返事をしている場合もあれば、なんとなく内容を把握している場合、過去の経験から「たぶんこういうことだろう」と判断している場合もあります。

ただ、これはスタッフだけの問題ではありません。私自身も店長になる前は、上司からの指示に「わかりました」と返事をしていた側です。その場では本当にわかったつもりでも、いざ自分で動こうとしたときに「あれ、どうやるんだっけ」と手が止まった経験も何度もあります。

今回は、実際にコンビニの仕事であった出来事を例に、なぜ「わかりました」と返事をしていても認識にズレが起きるのか、そして現在、私がスタッフに仕事をお願いするときに意識していることを紹介します。

この記事でわかること

  • わかってないのに「わかりました」と返事してしまう理由
  • 返事の仕方から分かる「わかったつもり」の違い
  • わかったつもりでも、実際にやると分からない理由
  • 私が「わからなかったら」ではなく「迷ったら聞いてね」と伝える理由

わかってないのに「わかりました」と返事してしまうのはなぜ?

「わかってないのに返事する人」と聞くと、話をきちんと聞いていないように感じるかもしれません。でも、実際の仕事では、必ずしもそうとは限りません。その場では本当に「わかった」と思っているものの、理解した内容が大まかだったり、過去の経験をもとに判断していたりすることがあります。

以前、職場で「該当するお菓子を2個買うと、もう1個プレゼント」というキャンペーンがありました。会計では2個分の代金をいただき、プレゼント分の1個はあとで処理する必要があるため、少しややこしい内容です。

認識がズレるスタッフが出ると思ったので、私は「会計は2個分」「+1個無料で差し上げるので合計3個」「あとで処理をするので控えが必要」と、できるだけ具体的にメモへ書いて共有しました。

ところが、同じ説明を聞いても、スタッフの反応はそれぞれ違いました。そこで私は、「わかりました」という一言だけではなく、返事をしたタイミングや、その後の反応を見ることが大切だと改めて感じました。

説明の途中で『わかりました』と返事する|反射的な返事

まだ説明が終わっていないのに、「わかりました!」と返事が返ってくることがあります。これは、内容をすべて理解したというより、説明を聞いていることに対して、とりあえず返事してしまう状態です。本人としては悪気があるわけではなく、まず返事をしてから、あとで内容を整理しようとしていることもあります。

この場合、キャンペーンの大まかな内容はもちろん、具体的なレジ操作や控えを残す方法までは把握しきれていないことがあります。

私なら「わかりました」という返事だけで終わらせません。

「キャンペーンはいつから?」「内容はどうだった?」と逆に質問して、本人の言葉で説明してもらいます。

説明した側からすると少し手間に感じるかもしれませんが、ここで一度確認しておけば、実際にレジに立ったときの「どうするんだっけ?」を減らせます。

一通り聞いて「わかりました」と返事する|なんとなくの返事

説明を一通り聞いたあと、「わかりました」と返事が返ってくる場合もあります。声のトーンや表情を見ると、なんとなく自信がなさそうに見えることもあります。

この場合は、「プレゼントを渡す」という大まかな内容は理解していても、レジでの細かい操作や控えの残し方など、実際の手順までは把握できていないことがあります。周りに誰かいるときに聞けばいい、という感覚で「わかりました」と返事をしているように見えることもあります。

そんなときは、「もし周りに誰もいないときに、この処理が来たらまず何から始める?」と具体的な場面を想定して聞くようにしています。実際に一人でレジ操作をする場面をイメージしてもらうことで、どこで手順が止まるのかが見えやすくなります。

過去の経験で補完する「わかったつもり」の返事

もうひとつ注意したいのが、納得した様子で「わかりました」と返事をしているものの、頭の中では過去に経験した別のキャンペーンの手順を当てはめているケースです。

本人としては「前にも似たようなキャンペーンをやったから大丈夫」と思っているので、その場では疑問に感じません。ところが、今回のルールが以前とは少し違っていると、実際に作業が始まってから認識のズレが表面化します。

こういう場合は、「今回のやり方は、前にやった○○のときと少し違うんだけど、どこが違うか分かる?」と聞きます。過去の経験との違いを自分の言葉で説明してもらうことで、頭の中にある思い込みをその場で修正できます。

「わかりました」のあとに手が止まるのはなぜ?

ここまでの話は、説明をしたその場での「わかりました」についてでした。でも、説明を聞いたときにはきちんと理解していたはずなのに、実際にキャンペーンが始まったときに手が止まってしまうこともあります。

これも私は、単純に「わかっていなかった」とは考えないようにしています。説明を聞いたときには本当に理解していたのに、時間が経って忘れてしまった場合もありますし、言葉としては理解できていても、実際の動作に変換できていない場合もあるからです。

時間が経って忘れてしまう「その場での理解」

説明を聞いた直後は覚えていても、キャンペーンが始まるまでに時間が空けば、細かい部分を忘れてしまうことがあります。これは、その場で「わかりました」と返事をしたことが嘘だったわけではありません。

だから私は、キャンペーンの流れを全員が確認できる場所に貼り出すだけでなく、スタッフ自身にも「自分だったら実際にどう動くか」を考えながらメモしてもらうようにしています。

説明された言葉をそのまま書き写すのではなく、「まずレジのここを確認して、次にこれを準備する」というように、自分の行動として残しておくと、実際の場面でも思い出しやすくなります。

言葉では理解していても、実際の行動にできない

もうひとつは、説明を知識として理解しただけで、自分が実際に動く手順まで落とし込めていないケースです。「会計は2個分」「1個は無料で渡す」「あとで処理する」という言葉は理解していても、いざレジ操作をすると、次に何をすればいいのか分からなくなることがあります。

これを防ぐために、私は本番前に一連の作業を実際にやってもらうことがあります。頭の中では分かったつもりでも、実際に動いてみると手順が前後するところや、迷うところが出てくるからです。

「わかったつもり」を確認するなら、実際にやってみる。

本番で初めて迷うよりも、事前に一度つまずいておいたほうが、その場で修正できます。

コンビニのバックヤードで、店長の説明に『わかりました』と返事するスタッフのイラスト

「わかったつもり」を防ぐために、私が意識していること

こうした経験をしてきたことで、私は「わかりました」という返事だけを信じるのではなく、そのあとに確認することを意識するようになりました。特に、初めて経験する仕事や手順が複雑な仕事では、説明しただけで終わらせないようにしています。

説明のあとに、あえて確認すると伝えておく

スタッフに仕事を説明するとき、「説明が終わったら、あとでやり方を確認するからね」と先に伝えておくことがあります。これだけでも、スタッフ側の聞き方が少し変わります。「なんとなく聞いておけばいい」ではなく、「あとで確認されるなら、ちゃんと覚えておこう」と意識して聞いてもらいやすくなるからです。

「分かった?」ではなく、具体的に聞いてみる

「分かった?」と聞けば、多くの場合は「はい、分かりました」と返ってきます。それでは、本当に理解しているのかまでは分かりません。そこで私は、必要なときには「もし一人だったら、まず何をする?」のように、実際の場面を想定した質問をするようにしています。

相手に自分の言葉で説明してもらえば、どこまで理解できているのかが見えますし、こちらが想定していなかった受け取り方をしていた場合も、その場で修正できます。

「わからなかったら聞いてね」ではなく「迷ったら聞いてね」

そして、私がスタッフに仕事をお願いするときに、今特に意識していることがあります。それは、「わからなかったら聞いてね」ではなく「迷ったら聞いてね」と伝えることです。

私自身、店長になる前は仕事を教えてもらう側でした。その頃は「わからなかったら聞いてね」と言われてきました。でも、新人の頃には、そもそも「何がわからないのかわからない」ということがあります。

説明を聞いているときは「わかりました」と思っている。でも、実際に仕事を始めたら「あれ、ここってどうするんだっけ」となる。そんなとき、自分でもどこが分からないのか整理できていなければ、「ここが分かりません」と聞くこともできません。

また、分からないことはあっても、それをうまく説明できないこともあります。「何となく違う気がするけど、何が違うのか分からない」という状態では、質問すること自体が難しいですよね。

だから今の私は、スタッフに「わからなかったら聞いてね」とだけ伝えるのではなく、「迷ったら聞いてね」と伝えるようにしています。

「これで合ってるかな?」と思ったら聞いてね。

「わからない」と自覚していなくても、仕事をしていれば迷うことはあります。「これで合っていると思うけど、念のため確認したい」ということもあります。そんなときに「迷ったら聞いてね」と言っておけば、質問するハードルを少し下げられると思っています。

私自身も「わかりました」と返事していた

今はスタッフに仕事を教える側になりましたが、最初から何でも分かっていたわけではありません。私も店長になる前は、上司から説明を受けて「わかりました」と返事をしていました。

その返事が「わかったふり」だったとは思っていません。その場では本当に分かったと思っていたからです。ただ、いざ自分でやろうとすると、説明を聞いているだけでは気づかなかった疑問が出てくることがありました。

だから今、スタッフから「ここってどうするんですか?」と聞かれたときも、「さっき説明したよね」と考えるのではなく、実際にやってみたからこそ、分からないところが見えたのかもしれないと考えるようにしています。

「わかったふりをしないで」ではなく、「迷ったら聞いてね」。

教える側になった今、私はこの言葉を大切にしています。

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まとめ|「わかりました」だけで理解したとは限らない

仕事をお願いしたとき、「わかりました」と返事があれば、つい「ちゃんと伝わった」と思ってしまいます。でも、わかってないのに返事してしまうこともあれば、その場では本当にわかったつもりでも、実際に仕事を始めてみると分からないことが出てくる場合もあります。

私自身も、店長になる前は仕事を教えてもらう側でした。「わからなかったら聞いてね」と言われてきましたが、新人の頃は、そもそも何が分からないのか分からなかったり、分からないことがあってもうまく説明できなかったりして、聞けないこともありました。

だから今、スタッフに仕事を教える立場になってからは、「わからなかったら聞いてね」ではなく「迷ったら聞いてね」と伝えるようにしています。実際にやってみて初めて分からないことに気づくこともあるし、「これで合っているかな?」と迷った時点で確認してもらえれば、その場で一緒に解決できるからです。

「わかりました」と返事をしたからといって、必ずしもわかったふりをしているわけではありません。昔の自分もそうだったように、その時点では本当にわかったと思っていて、やってみてから分からないことに気づく場合もあります。

「わからなかったら聞いてね」ではなく、
「迷ったら聞いてね」。

教える側になった今だからこそ、教えてもらう側だった頃の自分も思い出しながら、スタッフが安心して「これで合ってますか?」と聞けるような伝え方をしていきたいと思っています。