「捨てていいですか?」そう聞かれた瞬間、もうゴミ箱に捨ててある。
早っ!今、私に聞いたよね?なんで答えを待たずに捨てた?(笑)。
こんな出来事がよくあります。
AかBかで相談しているのに、返ってくるのは想定外の答え。怒りではなく、「そうくるかー」と力が抜ける瞬間です。
そのたびに「私の伝え方が悪いのかな」と考えていました。もっと具体的に言わなきゃダメ?1〜10まで説明すればいい?
足りないのは自分かもしれない。でも、言い方を変えても、なぜか同じことになってしまう…。その理由を、私は考え始めました。
結果、職場のコミュニケーションを
「伝える力 × 聞く力」という掛け算で考えるようになりました。
問いと答えが追い越していく
問題は、能力ではなく、そもそもの前提の違いかもしれないと気づいたんです。
同じ言葉を使っていても、私と相手では見えている景色が違う。
そこがずれているまま話をしているから、どれだけ丁寧に言っても、また同じところでつまずいてしまう…。そう考えると、日々の出来事に納得がいったんです。
コミュニケーションは「掛け算」という現実

私は長い間、「伝え方のせいで上手く伝わらない」と思っていました。
でも、同じ言葉で伝えても、イメージどおりにできる人と、できない人がいる。
つまり、伝える力だけではなく、聞く力にも関係しているのではないか、と考えるようになりました。
【伝える力 × 聞く力 = 理解度】
たとえば、こちらが50の「伝える力」で伝えても、相手の「聞く力(理解しようとする姿勢)」が高くなかった場合、結果はそれ以下の数値になります。
伝える力も聞く力も半分(50:50)だとしたら、体感として伝わるのは25程度。
掛け算だからこそ、どちらかが下がれば理解度も下がる。
私がどれだけ言い方を工夫しても、受け取り方までは変えられない。それなのに私は、相手の分まで埋めようとしていました。
足りないなら、私が増やせばいい。そうやって、勝手に消耗していたのだと思います。
「人は変えられない」。だから出し方を変える
私はひとつの持論を持っています。
「自分で自分を変えることも難しいのに、他人の思考回路を変えるのはもっと難しい」
特に、長年の思考の癖は簡単には変わるものではなく、そう思ってしまうのは仕方がない。
だから、相手を変えようとせず、自分の“出し方”と“仕組み”を変えることにしました。
- 「わからないことがあったら聞いてね」ではなく、「少しでも迷ったら聞いてね」に変える。
- 臨機応変を求めるのではなく、YESかNOで答えられる質問にする。
- その人が経験したことのある出来事に例えて説明する。
10人に伝えるとしたら、10通りの伝え方があると言っても大げさではありません。前提が共有されていない相手とも、無理なく仕事を回すための「現場の技術」です。
「おれる」という選択
謝ることに抵抗を感じる人に、私はこう聞いたことがあります。
「自分は悪くないと思っても、相手の事を思って謝ることってあるよね?」
私にとっての“おれる”ことは敗北ではなく、その場を円滑に保つための「仕事の一つ」です。
プライドを守ることと自分を守ることは、必ずしも同じではないので、仕事モードの私はプライドを持たないことにしています。
言い換えればプライドを持たないことがプライドです。
人をよく観察する
仕事は、理屈だけで上手くいくことばかりではありません。
むしろ、理屈ではなく、周りをよく観察している人ほど上達が早いと思っています。
日本語も、思っている以上に難しいものです。
「7時10分前」が6時50分を指すのか、7時10分よりも前(7時8分など)を指すのか。
「ニ列で陳列されている商品は、右が先に納品されたほう」という言葉が、最前列なのか右一列のどちらを指すのか。
同じ言葉でも、相手の解釈は人それぞれです。だからこそ、伝える側には「観察力」が必要で、全ての人に「同じ言葉ではダメなんだ」と思うようになりました。
私の言葉を、相手がどんな思考回路で変換してその答えにたどり着いたのか。
それを想像して動くようにしたら、私の負担は少し減りました。
まとめ
理不尽に感じる現場でも、斜め上なやり取りがあっても。
- 正論で押し切るより、仕組みにする。
- 期待を重ねずに、付き合い方を考える。
- 人を変えようとするより、自分の出し方を変える。
それが、私なりの円滑に仕事を回すための戦略です。
もし、自分を削って相手の「不足分」を埋めている方がいたら、少しだけ「観察者」になってみませんか?
私は、明日もまた棚を整えながら、
きっと「今日は、そっちかー!」と小さく呟いていると思います。
でも、前みたいに自分だけを責めなくていい。そう思えただけでも、少しラクになりました。
人を変えるより、自分の出し方を変える。それを続けながら、今日も現場を回していきます。



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