仕事をしていて、「適当にお願い」と指示を出すこともあれば、「この人は適当だな」「いい加減だな」と感じることがあります。
私は仕事をする中で、「適当でもいい部分」と「適当ではダメな部分」があると思っています。
今回は、コンビニの仕事を例に、「適当」と「いい加減」の違いについて考えてみます。
「適当」と「いい加減」は、もともとどんな意味?
「適当」という言葉は、条件や目的などに合っていることや、ちょうどよいことを意味します。
「いい加減」も、もともとは「良い加減」という意味で、ちょうどよい程度やほどよい状態を表す言葉でした。
ただ、普段の会話で「適当な人」「いい加減な人」というと、どちらも少し悪い意味で使われることがあります。
では、仕事の中では「適当」と「いい加減」をどう考えればいいのでしょうか。
仕事には「適当でもいい部分」と「適当ではダメな部分」がある
仕事をしていると、決められたマニュアル通りに進めるより、その場の状況を見て優先順位を変えたほうがいいことがあります。
例えば、ペットボトル飲料の品出し。
商品をすべてきっちり補充するのか、とりあえず品薄の商品だけを補充するのか、それとも全体をまんべんなく補充するのか。
その時の季節や時間、状況によって、やり方は変わります。
夏場であれば、納品時は冷蔵のものを先に出すのが基本です。
でも、その日に常温のものがほとんど売場になかったら、先に常温のものを出す必要があります。
なぜか?
そのままにしておけば、お客様が困るからです。
このように、基本的なルールがあっても、その時の状況に合わせて優先順位を変えることがあります。
ここでいう「適当」は、何でもいいという意味ではありません。
必要なことはやりながら、「今はここまででいい」「これは後でいい」と判断することです。
「適当」と「いい加減」は仕事でどう違う?
私の中では、「適当」と「いい加減」を分ける一つの基準が、後で誰かが困るかどうかです。
| 適当 | いい加減 |
|---|---|
| 状況に合わせて判断する | 自分の都合で判断する |
| 必要なところまではやる | やるべきことまで省く |
| 後で誰かが困らない | 後で誰かが困る |
| 「これは後でいい」 | 「これはやらなくてもいい」 |
例えば、商品が少なくなっていても、ほかに優先する仕事があるなら、後で補充するという判断はできます。
でも、1本もない商品を「後でいい」とそのままにしてしまえば、次に売場を見るスタッフが困ります。
「適当」は、必要なことをやったうえで、細かい部分を状況に合わせて判断すること。
「いい加減」は、必要なことまで省いてしまうこと。
私は、この違いだと思っています。
仕事で「適当にしてはいけない」のはどんなこと?
仕事の中には、状況に合わせて変えていいことと、変えてはいけないことがあります。
例えば、分からないことを確認せずに「たぶんこうだろう」と答えること。
約束したことを守らないこと。
やると言ったことをやらないこと。
決められたルールや期限を守らないこと。
「適当」と「いい加減」は、ここで分かれます。
忙しいから後でやる、別の仕事を優先する、状況に合わせてやり方を変える。
その後に必要なことがつながるなら、それは「適当」です。
でも、「面倒だからやらない」「確認するのが面倒だから、たぶんで答える」となれば、「いい加減」になってしまいます。
「適当にやって」と言われたら、何を任されているのか考える
「適当に」という言葉は便利ですが、人によって受け取り方が違います。
以前、売場を作るときに、スタッフから「どのくらい出しておけばいいですか?」と聞かれたことがありました。
私は、売場の状況を見て判断してほしいという意味で、「適当にお願い」と伝えました。
ところが、出来上がった売場を見てみると、私が想像していたものとは違っていました。
スタッフからすると、「適当に」と言われたので、自分なりに考えてやっただけです。
このときは、「適当に」という言葉の意味よりも、お互いが思い描いていた完成形が違っていました。
「適当にやって」と頼むときは
何を任せているのか、何を基準に判断してほしいのかまで伝えておくことも大切です。
そうしておかないと、自分が思っていた結果と、相手が考えた結果が違ってしまうことがあります。
「適当にやって」と伝えたつもりでも、相手が同じように受け取っているとは限りません。返事の「わかりました」も同じです。
まとめ
「適当」と「いい加減」は、同じような意味で使われることがありますが、仕事の中では少し違います。
適当でいいのは、状況を見て「これは今やらなくても大丈夫」と判断できる部分。
一方で、お客様や後のスタッフが困ることまで放ってしまえば、それは「いい加減」です。
仕事で「これ、適当にしていいのかな?」と迷ったら、まず「これを後回しにしたら、後で誰かが困らないかな?」と考えてみてください。
誰も困らないのであれば、今すぐ全部をきっちりやらなくてもいいかもしれません。
逆に、お客様が困る、後のスタッフが困る、約束やルールに関わるというのであれば、そこはきちんとやる。
「全部きっちり」ではなく、
「困るところはきちんと、そうでないところは適当に」。
まずは仕事の中で、「ここは今やらなくても大丈夫」と判断できる部分を一つ見つけてみてください。
それくらいの余白があったほうが、仕事は続けやすいのではないでしょうか。



